梅毒が治った後も後遺症は残りますか？

外来治療中、患者からよく「先生、梅毒が治った後に後遺症は残りますか？」と尋ねられます。この質問は、まさに多くの梅毒患者の声を代表しています。梅毒に罹ることは、将来の結婚や出産と一定の関係があります。例えば、性感染症の中でも発症率が高い性器マイコプラズマやクラミジア感染症は、感染が尿道、膣、子宮頸管に限られ、卵管まで達していない場合、また感染が短期間で適切に治療され、女性の卵管閉塞を引き起こしていない場合には、回復しても将来の結婚や出産に影響はありません。

しかし、感染が長期間続くと、膣や子宮頸管の感染だけでなく、骨盤腔に感染が広がり、感染症を引き起こします。治療しない、または治療が断続的で長期間治癒しない場合は、この状況により女性の卵管の癒着や変形が起こり、卵管閉鎖症となり、不妊症につながります。卵管の病気により卵管が狭くなり、癒着が不完全になった状態で避妊をしないと、卵管内で受精した精子と卵子は子宮腔にスムーズに送られず、変形して狭くなった卵管内で閉塞し、胎児は成長を続け、子宮外妊娠を引き起こします。胎児がある程度成長すると、小さな卵管は急速に成長する胎児に耐えられなくなり、突然卵管が破裂し、救助が間に合わなければ大出血を起こして患者は死亡します。

1980年代以降、第二世代性感染症と呼ばれる性器マイコプラズマやクラミジア感染症は、感染が長期間続くと卵管変形を引き起こします。治癒した（検査結果が陰性）場合でも、変形した卵管は自然に正常卵管に戻ることは難しく、子宮外妊娠や不妊症を引き起こす可能性があります。このような患者様は、妊娠前に卵管検査をするのが最善です。

淋病、梅毒、性病性リンパ肉芽腫などの他の性感染症も、程度の差はあれ後遺症や合併症を残します。したがって、性感染症にかかった場合は、早めに正規の病院で治療を受け、性交相手も同時に治療を受けて、後遺症や合併症の発生を避けるように努めるべきです。